身体の痛みのなかで、三叉神経痛と同じ位に強い神経痛です。三叉神経痛と違って顔に痛みは起こらず、水、食物を嚥下した時に喉の奥に激痛が走ります。痛みが強くなるとつばを呑んでも痛いので、呑み込まずにタオルに出す人もいる位です。また時に痛みが同じ側の耳、肩に放散することもあります。
舌咽・迷走神経は喉のあたりの知覚を支配しているので、やはりその起始部で動脈により圧迫されると痛みが起こります。これは三叉神経痛と同じような理由です。
三叉神経痛と同様、テグレトールが有効です。しかし痛みが強くなると増量が必要なことも三叉神経痛と同じです。放射線照射のガンマナイフは、適応ではありません。根本的治療法は、やはり手術により圧迫血管を神経より遊離してやることです。
23例の舌咽神経痛で、術後5~16年(平均11,6年)追跡調査した16例では、全例痛みが消失しています。再発はありません。
術後嚥下障害、また嗄声をきたすことがあります。2例に軽い嗄声が持続、2例に術後咳発作がありましたが、2~3年で改善しています。